n-アルカンで生育したCandida酵母の表面構造

概要

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n-アルカン(C_<10>〜C_<13>の混合物)で生育したCandida tropicalis pK 233およびC. albicans IFO 0583の細胞表面を走査電子顕微鏡で観察してみると, 直径100〜200nmのいぼ状突起が多数存在することがわかった。この突起物は約50nmのサブユニット群からなっており, 菌体を1%Tween 80水溶液, 50%エタノール, 又はn-ヘキサンで洗浄しても消失しないことから, 菌に付着したアルカン滴ではない。またn-アルカンで長時間培養した菌では突起はなくなるが, 培地にn-アルカンを添加し数時間培養を続けると, 再び突起物が出現した。n-アルカン(C_<10>〜C_<13>)で生育したC. tropicalisの超薄切片を透過型電子顕微鏡でしらべてみると, 細胞壁のところどころに粘液層が生長したような構造が認められた。その長さは約150nm, 巾は約200nmであった。この部分は電子密度の高い層として観察され, 細胞壁を通過して細胞膜にまで達していた。この様な構造はアルカンで長時間培養した菌やグルコース生育菌では見られず, 走査電子顕微鏡で観察されたいぼ状突起に対応するものと思われる。このような突起物あるいは粘液層はこれらのCandida酵母のアルカン取込みに何らかの役割りを果たしている可能性がある。
社団法人日本生物工学会の論文
1975-04-25

n-アルカンで生育したCandida酵母の表面構造

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