スギ二段林下木の成長 : 低密度の上木による庇陰が下木の成長に与える影響

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概要

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本論文では, 上木が低密度のスギニ段林において, 上木による庇陰が下木の成長に与える影響について検討した。試験区を次のように設定した。まず林齢58年の一斉林を四つに分けた。そのうちの3区は残存本数を変えて強度間伐し, 翌年にスギを樹下植栽した。他の1区は皆伐後, スギを植栽した。これらの試験区の22年後の資料の解析結果から次のことが示された。1) 5年以降では, 下木の直径, 材積は上木の密度が大きくなるにつれて成長量が小さくなり, 弱度の庇陰下でも庇陰によって樹木の成長量が低下した。2)下木の各林木における幹材積と生産力との関係は同齢単純林における両者の関係と変わらなかったが, 平均幹材積と平均生産力の関係は庇陰の影響を受けた。下木における平均材積に対する平均生産力は上木の密度が大きいほど小さくなった。また, 一時点における上木と下木の生産力の合計は皆伐区と50本区, 100本区と150本区の間でほぼ一定になった。
日本森林学会の論文
1996-02-16

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