人工複層林の成長に関する理論的研究--スギ2段林の成長モデル
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概要
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これまでの人工林施業では皆伐方式が一般的であったが,近年,経営目標に応じた多様な施業が求められ,複層林の造成が検討されるようになってきた。他方,針葉樹人工林の成長に関しては多くの研究が行われてきた。しかし,従来の研究は同齢単純林が主な対象であり,しかも林冠閉鎖後の15~20年以上の林分を対象としてきた。また,二段林を造成する場合には,従来の林分の密度管理と同時に林分の光環境の管理が必要となる。そして,上木の状態によって下木の光環境を表現できる指標が望まれている。ところが,二段林に関する資料は同齢単純林のものに比べて非常に少なくなっているのが現状である。Forest management goals require various treatments, and establishing multi-storied plantations is now to be considered as one of these treatments, although coniferous plantations have generally been clear-cut. On the other hand, a great deal of research has been done regarding growth of coniferous plantations. However, pure even-aged stands, especially stands older than 15 to 20 years after the first canopy closure, have been the main subject of the research on the growth of coniferous plantations. Moreover, light control as well as stand density control are necessary to establish two-storied stands, and an indicator of light conditions for understory trees on the basis of the condition of overstory trees is needed. However, the data available on two-storied plantations is far less than that on pure even-aged stands.
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,東京大学農学部林学科,Department of Forest Science, Faculty of Agriculture, The University of Tokyoの論文
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