閉鎖した同齢単純林における林分および単木の成長

概要

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閉鎖した同齢単純林を対象として, 林分の成長と単木の成長を相互に関連させた形で記述した。最初に, 次のような仮定をおいた。(1)樹幹の維持呼吸速度は材積の2/3乗に比例する。樹幹の構成呼吸速度は材積の成長速度に比例する。(2)同一林分内における各林木の純光合成速度は材積のn乗に比例する。ただし, nは正の実数である。葉の剰余生産のうち樹幹に分配される割合は一定である。(3)樹冠が閉鎖している林分の単位面積当たりの純光合成速度は一定で, 樹種, 地位にのみ依存する。これらの仮定をもとに, 次のような林分材積Vおよび単木材積vの成長式を導いた。dV/dt=A-bΣv^<2/3>, dv/dt=(A/Σv^n)v^n-bv^<2/3>。ただし, ある地域において, Aは樹種と地位によって決まる定数, bは樹種によって決まる定数である。次に, スギ, ヒノキの人工林について, パラメータの値を求めた。パラメータnの推定値は大部分が0.9から1.1の間の値になった。最後に, モデルに含まれている仮定, パラメータの値について考察した。
一般社団法人日本森林学会の論文
1992-01-01