人工林の直径分布の推移に関する理論的研究--直径階別枯損確率の推定
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概要
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本論文の目的は,直径分布の時間変化を記述する新しいモデルを提案することにある。本モデルは,スギ人工林における林木の生長と枯損の関係を数学的に定式化したものである。モデルの誘導と検証には,東京大学秩父演習林内に設けられた固定標準地のデータを利用した。関連する研究としてはこれまでに,鈴木・梅村(1966,1967,1967,1974),SULOBODA(1976,1977,1984),田中(1986),竹内と箕輪(1972)らの研究がある。鈴木のモデルは拡散モデルの応用であり,その後の林分生長の研究に大きな影響を与えた。上述の研究は何れも直径の生長と枯損を統合的に扱っている。しかしながら,必ずしも,直径階ごとの枯損と生長の関係を解析的かつ陽表的に表現しうる関数を見いだすには至っていない。著者らが本研究に携わることになった動機はまさにこの点にある。The purpose of this paper is to present a new model for describing the change in diameter distribution over time. The model is concerned with coniferous plantations of Sugi (Japanese ceder) and involves a mathematical formulation of the relationship between tree growth and mortality. The derivation and verification of the model were done using data which was taken from permanent plots in the Tokyo University forest, Chichibu.
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests,凸版印刷株式会社,東京大学農学部林学科,Toppan Printing Co., Ltd.,Department of Forestry, Faculty of Agriculture, University of Tokyoの論文
著者
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