ホップ矮化ウイロイドのキュウリ株 (cucumber pale fruit viroid) の感染性に及ぼす化学物質の影響
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概要
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ホップ矮化ウイロイドのキュウリ株 (HSV-C) の感染性を infectivity index (感染価指数) によって調べた。HSV-Cの感染性はベントナイトを加えることによって増加したが, シュウ酸ナトリウムおよび酵母のRNAはHSV-Cの感染性を増加させなかった。HSV-Cの感染性は, 0.1 mg/mlの濃度のタンニン酸の添加によってわずかに増加し, 1.0 mg/mlのタンニン酸あるいは酵母のRNAによって減少した。HSV-Cは, 膵臓の RNaseによって完全に不活性化され, その不活性化はHSV-CとRNaseとの混合液にベントナイトを加えることによって著しく抑制された。HSV-Cの感染性は, アクリジンオレンジ, メチレンブルー, あるいはトルイジンブルOとの混合によって, 暗所ではわずかに減少したが, 可視光線の照射によって不活性化された。メチレンブルーの不活性化の程度は, 他の色素より強かった。これらの色素によるHSV-Cの不活性化は, HSV-Cと色素との混合液にベントナイトを加えることによって明らかに抑制された。
- 1985-10-25
著者
-
上田 一郎
北海道大学大学院農学研究科
-
四方 英四郎
北海道大学農学部
-
四方 英四郎
北海道大学農学部植物病理学教室)
-
由崎 俊道
北海道教育大学札幌校生物学教室
-
由崎 俊道
北海道教育大学札幌分校生物学教室
-
佐野 輝男
北海道大学農学部
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