カンキツからの核酸抽出法の改良とカンキツウイロイドの遺伝子診断への適用
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概要
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カンキツ試料からの核酸抽出は, それに含まれる多糖類やフェノール化合物のためにしばしば困難な場合があった。そこで, 従来の方法を以下のように改良した。すなわち, 2-メトキシエタノール抽出と臭化セチルトリメチルアンモニウム沈殿の代わりに2-ブトキシエタノールによる分画沈殿を行った。この改良により, 従来法と比べほぼ同じ純度の, そして, より多くの核酸が安定して抽出できた。その抽出核酸は, カンキツウイロイド(カンキツエキソコーティスウイロイド, グループIカンキツウイロイド, ホップ矮化ウイロイドカンキツ分離株)の連続ポリアクリルアミドゲル電気泳動(sPAGE)および DIG 標識 cRNA プローブを用いたドットブロットハイプリダイゼーションによる診断に適用可能であった。さらに, sPAGE によりグループIIIカンキツウイロイド(CVd-III)と思われるウイロイド様 RNA が, 日本のカンキツ試料から検出された。その cDNA をクローニングして塩基配列を決定したところ, 海外で報告されている CVd-IIIa および CVd-IIIb と完全に一致した。そして, そのクローンから作成した DIG 標識 cRNA プローブにより, 他のいくつかの日本産カンキツ試料から CVd-III が検出された。これの多くには, 他のカンキツウイロイドが重複感染していた。
- 1998-12-25
著者
-
中原 健二
北大院農
-
上田 一郎
北海道大学大学院農学研究科
-
畑谷 達児
北大院農
-
家城 洋之
果樹研ブドウ・カキ
-
中原 健二
北海道大学農学部
-
畑谷 達児
北海道大学農学部
-
家城 洋之
農林水産省果樹試験場
-
Nakahara Kenji
Biotechnology Institute Akita Prefectural Univ.
-
Nakahara Kenji
Pathogen-plant Interactions Group Graduate School Of Agriculture Hokkaido University
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