インゲン黄斑モザイクウイルスの精製と血清反応
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概要
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インゲン黄斑モザイクウイルス(BYMV, isolate No.30)を精製し, 抗血清を作製した。罹病ソラマメ茎葉(凍結組織)を0.1Mトリス緩衝液(0.05M EDTA, 1% 2-メルカプトエタノールを含む, pH7.0)中で磨砕し, 四塩化炭素による清澄化の後, 4%ポリエチレングリコール(#6000)により濃縮し, さらに分画遠心後, しょ糖濃度勾配遠心法により精製した。ウイルス収量は罹病ソラマメ100gあたり約2mgであった。得られた抗血清の力価は1/2048であった(重層法による)。精製ウイルスは寒天中での移動度が低く, 寒天ゲル二重拡散法では反応が認められなかった。しかしラウリル硫酸ナトリウム(SDS)を寒天中に加えるか, あるいはSDSによってウイルスを処理すると, 1本の沈降線が認められた。この方法により既知の2系統(BYMV-N系統, BYMV-CS系統)との血清学的関係を調らべたところ, いずれも本分離株との間にはスパーが形成された。SDSの代りに3, 5-ジョードサリチル酸リチウム(LIS)を用いた場合, より明瞭な沈降線(スパーも含む)が得られた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1975-04-25
著者
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