アカザ(Chenopodium album L.)汁液のタバコ・モザイク・ウイルス感染阻止作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
TMVに感受性を示す植物を用い, それらの汁液について, TMV感染阻止作用をしらべた結果, 多くの植物汁液が阻止作用を示した。とくに, アカザ汁液は強い阻止作用を示した。アカザ汁液の阻止作用は80℃, l0分の加熱処理で僅かに減退し, l00℃, l0分の処理でほぼ完全に消失した。また, アカザ汁液をl0^ 4倍に希釈すると阻止作用を失ない, pH2以下およびpHll以上の水素イオン濃度に2日間保つことによってその作用は減退し, pHl3ではほぼ完全にその作用を失なった。汁液中の阻止物質は活性炭素にかなり吸着され, セロファン膜を通過せず, 50あるいは90%エタノール, あるいはl/2飽和硫安によって沈殿した。汁液とTMVとの混合液の病原性は希釈することによって回復し, また, 汁液を予め塗抹したN.glutlnosaおよびインゲンマメの葉のTMV阻止作用は塗抹後の日数の経過とともに減退し, 持続的な効果は明らかでなかった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1966-12-25
著者
関連論文
- 螢光抗体法による植物ウイルス増殖の追跡 : 1. タバコ新葉中における TMV の増殖
- 螢光標識抗体によるスライド凝集反応について
- ホップ矮化ウイロイドのキュウリ株 (cucumber pale fruit viroid) の感染性に及ぼす化学物質の影響
- (4) X線及び過酸化水素による煙草モサイク病バイラスの変異 (昭和29年度北海道部会)
- タバコモザイク・ウイルスのリボヌクレア-ゼによる不活性化
- 不活性化TMV-RNAによるTMV-RNAの感染力の増加
- Botrytis cinerea Pers,の代謝産物によるタバコモザイク・ウィルスの不活性化
- タバコモザイク・ウイルスのリボヌクレアーゼによる不活性化
- エリサン(Phylosamia cynthia ricini Donovan)幼虫の消化液中のタバコモザイク・ウイルスに対する不活性化物質
- カイコ(Bombyx mori L.)およびエリサン(Philosamia cynthia ricini D.)幼虫の消化液によるタバコモザイク・ウィルスの不活性化
- タバコモザイク・ウイルスの再構成に及ぼす感染阻止物質の影響
- アブラムシによるタバコモザイク・ウイルスの不活性化
- 色素によるTMVおよびTMV-RNAの不活性化に対するベントナイトの影響
- 3系統のタバコ・モジイク・ウイルスの塩素による不活性化
- タバコモザイク・ウイルスのアブラムシによる伝搬に及ぼすシュウ酸塩およびベントナイトの影響
- アブラムシ(Myzus persicae Sulz.)によるタバコモザイクウイルスの獲得
- ベントナイトの使用による単一アブラムシ中の感染性TMVの検出
- タバコ・モザイク・ウイルス核酸のオゾン,塩素および紫外線による不活性化
- タバコ・モザイク・ウイルスの感染阻止物質に関する研究
- タバコ・モザイク・ウイルスのオゾンおよび塩素による不活性化
- (23) オゾンおよび塩素によるタバコ・モザイク・ウイルス核酸の不活性化について (昭和51年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- タバコ・モザイク・ウイルスに対するインゲン各品種の感受性
- タバコ・モザイク・ウイルスに対するオゾンおよび塩素の影響
- インゲン黄斑モザイクウイルスの精製と血清反応
- モモアカアブラムシにおけるジャガイモ葉巻病ウイルスの潜伏期間とその保有
- モモアカアブラムシにおけるジャガイモ葉巻病ウイルスの伝搬と伝搬能力保有とに関する研究(続報)
- 植物ウイルス血清学の進展
- アカザ(Chenopodium album L.)汁液のタバコ・モザイク・ウイルス感染阻止作用
- 不活性化ウイルスの干渉作用について
- ウイルスの種類, 純化, 形態および構造
- 豌豆に寄生する1新銹菌について
- ポリエチレングリコールによるジャガイモ葉巻病ウィルスの沈澱
- (1) オゾンおよび塩素によるタバコ・モザイク・ウイルスの不活性化 (昭和50年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- (1) エルサン(Philosamia cynthia ricini D.)の消化液のTMV不活性化作用 (北海道部会講演要旨)
- (3) モモアカアブラムシによるTMVの伝搬試験 (昭和52年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- (14) 昆虫体内の活性TMVの検出 (北海道部会講演要旨)
- (193) モモアカアブラムシ体内のTMV活性 (昭和49年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (27) 蓚酸の TMV の感染促進作用 (昭和43年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- (88) インゲンマメ (大手亡) に生じた TMV 感染阻止因子について (ウイルス病(昭和40年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- (11) アカザに含まれている TMV 感染阻止物質について (昭和37年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- (15) タバコモザイクウイルスの系統について (昭和36年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- (7) タバコモザイクウイルス3系統の寄主植物について (昭和35年度地域部会講演要旨(北海道部会)
- (7) tobacco mosaic virusの寄主植物について (昭和33年度北海道部会)
- (20) バイラスの干渉について (昭和30年度北海道部会)
- ジャガイモ葉巻病ウイルスの抗血清作成の試み
- タバコ・モザイク・ウィルスおよびその核酸の感染性に及ぼす蓚酸塩の影響
- (10) TMV-RNA および蛋白の感染阻止作用について (昭和40年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- Aspergillus oryzae 培養濾液のタバコ・モザイク・ウイルス感染阻害作用
- タバコ・モザイク・ウイルスに感染した接種葉のヨード試験について
- タバコ・モザイク・ウイルス2系統の性質について
- タバコ・モザイク・ウイルス3系統の奇生植物について
- (89) 不活性化ウイルスの干渉 (ウイルス病(昭和35年度日本植物病理学会大会))
- (106) ウイルスの干渉について (ウイルス病(昭和32年度 日本植物病理学会大会講演要旨))
- 紫外線照射オオムギ斑葉モザイクウイルスの寒天ゲル中沈降反応
- オオムギ斑葉モザイク病罹病植物の寒天ゲル中沈降反応による抗原分析
- オオムギ斑葉モザイク病ウイルスの寒天ゲル中沈降反応について