直接二重抗体サンドイッチELISAに利用できるモノクローナル抗体を得るためのハイブリドーマのスクリーニング法の選定
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概要
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255種のモノクローナル抗体(MoAb)産生ハイブリドーマを3種のluteovirus, 2種のplant reovirusおよび1種のpotyvirusに対して作製した。Luteovirusとしてはジャガイモ葉巻ウイルス, テンサイ西部萎黄ウイルスおよびタバコえそ萎縮ウイルス, plant reovirusとしてはイネ萎縮ウイルスおよびイネラギットスタントウイルス, potyvirusとしてはジャガイモYウイルス-普通系統を用い, ハイブリドーマは以下の4種類の異なる方法によるELISAでスクリーニングした。方法1. 生理リン酸緩衝液(PBS), pH7.4中で純化ウイルスを直接マイクロプレートウエルに吸着させた抗原吸着間接ELISA(AAI-ELISA), 方法2. 炭酸-重炭酸緩衝液, pH9.6中で純化ウイルスを直接マイクロプレートウェルに吸着させたAAI-ELISA, 方法3. ポリクローナル抗体(PoAb)をtrapping抗体, 抗原としては純化ウイルスをTween-20を含むPBS(PBS-T), pH7.4中で反応させた間接二重抗体サンドイッチElISA(IDAS-ELISA), 方法4. PoAbをtrapping抗体, 抗原としてぱPBS-Tで搾汁したウイルス罹病葉粗汁液を反応させたIDAS-ELISAを用いた。上記4種類のELISAにおける反応に基づき, MoAb産生ハイブリドーマを10グループに分けた。腹水より得られたMoAbを精製し, スクリーニングに用いた4種類のELISAを行うと, DAS-ELISAで利用可能なMoAbは, 方法1-4の4種類すべてのELISAに反応するグループ1, あるいは方法1, 3および4のELISAに反応するグループ2に属した。以上の結果は, スクリーニングにおいてグループ1あるいは2に属するハイブリドーマを選抜すればDAS-ELISAに利用可能なMoAbが得やすいことを示唆している。
- 1990-12-25
著者
-
HARJOSUDARMO J.
Bogor Research Institute for Food Crops
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四方 英四郎
北海道大学農学部
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四方 英四郎
北海道大学農学部植物病理学教室)
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大島 一里
北海道大学農学部応用生物科学科
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Harjoudarmo Jumanto
北海道大学農学部
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石川 陽
北大農
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石川 陽
北海道大学農学部
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