日本産セイヨウナシから分離されたナシblister cankerウイロイドについて
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概要
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日本(福島県と山形県)で栽培されているセイヨウナシからウイロイドを検出した. 塩基配列を解析した結果, フランスでセイヨウナシからの分離が報告されているpear blister canker viroid(PBCVd)と同定された. 福島分離株は312塩基, 山形分離株は313塩基よりなり, 両分離株間の違いは僅か1ヵ所で, 福島分離株の54番目と55番目の塩基の間に山形分離株では一塩基余分にAが付加されていた. フランス分離株(P2098T, Hernan-dez et al., 1992)と比較して福島分離株では塩基置換17ヵ所, 挿入3ヵ所, 欠失6ヵ所の合計26ヵ所, 山形分離株ではさらに挿入1ヵ所の合計27ヵ所で変異が認められた. 本ウイロイドと福島県および山形県で発生が報告されているセイヨウナシ粗皮病, くぼみ果病との関係を検討した結果, 福島県から採集した粗皮病罹病セイヨウナシでは50%(6/12)また山形県から採集したくぼみ果病罹病セイヨウナシでは37.5%(3/8)からPBCVdが検出され, 共に健全セイヨウナシの0%(0/9)と日本ナシの0%(0/8)に比べ明らかに高い検出率を示した.
- 日本植物病理学会の論文
- 1997-04-25
著者
-
佐野 輝男
弘前大学農学生命科学部
-
四方 英四郎
北海道グリーンバイオ
-
李 世訪
中国農科院植物保護
-
四方 英四郎
北海道大学農学部
-
四方 英四郎
北海道大学農学部植物病理学教室)
-
李 世訪
弘前大学農学部
-
尾形 正
福島県果樹試験場
-
落合 政文
福島県果樹試験場
-
鈴木 千代吉
山形県農林水産部
-
大沼 幸男
山形県農林水産部
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