CMV外被タンパク質遺伝子を導入した組換えメロンの閉鎖系温室及び非閉鎖系温室における環境に対する安全性評価(I)
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概要
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植物の組換えDNA技術の発達により,これまで利用が困難であった遠縁の生物種(動物や細菌など)の遺伝子を利用することも可能になってきた.このような外来遺伝子を導入した作物(以下組換え体と記す)は,今までの常識では予期せぬ形質・特性が現われる可能性が考えられることから,組換え体の特性と生態系に与える影響について,慎重に評価することが求められている.わが国での組換え体の環境に対する安全性評価は,閉鎖系及び非閉鎖系実験については,科学技術庁の「組換えDNA実験指針」(科学技術庁編1991)に従い,模擬的環境及び開放系利用については農林水産省の「農林水産分野等における組換え体の利用のための指針」(農林水産省編1992)に従って行われている.わが国で開放系利用による栽培まで進んだ作物は,組換えトマト(本吉宇垣1991)の1件のみであるが,米国では202件,カナダで約100件となっている(長谷部亮1992).本報告では,Yoshiokaら(1992)により報告されたCMV外被タンパク質遺伝子を導入した組換えメロンを用いて,閉鎖系及び非閉鎖系温室における組換え体の特性調査および環境への安全性評価を行ったので,その結果について報告する.なお,本報では組換えメロンの形態,生育特性及び遺伝子拡散に関わる特性について報告し,他の作物に及ぼす生育阻害効果,土壌微生物相に及ぼす影響,ベクターに用いたアグロバクテリウムの残存性については,続報において報告する.
- 日本育種学会の論文
- 1994-03-01
著者
-
田部井 豊
農業生物資源研究所遺伝子組換え研究推進室
-
花田 薫
九州農業試験場
-
藤沢 一郎
農業研究センター
-
大澤 勝次
茨城生工研:(現)生資研
-
吉岡 啓子
理化学研究所
-
田部井 豊
農業生物資源研究所
-
大澤 勝次
茨城県生物工学研究所
-
西村 繁夫
農業生物資源研究所
-
吉岡 啓子
北海道大学農学部
-
中島 皐介
農業生物資源研究所
-
大沢 勝次
茨城県農業総合センター生物工学研究所:農業生物資源研究所
-
田部井 豊
農業生物資源研
-
西村 繁夫
農水省生物研
-
吉岡 啓子
茨城生工研:(現)理研
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