メロンの苗条原基誘導と植物再生能の維持
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概要
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メロンの苗条原基の誘導と植物体再生のための培地条件の検討を行い, 長期の継代に伴う苗条原基の植物再生能の変化や形態的な変化について検討した. 苗条原基の誘導にはグリーンパール及びプリンスの2品種を用い, 葉原基2〜3枚をつけた茎頂を外植体とした. 誘導条件は温度25℃, 照度 3,000lxの連続照明下での回転培養 (2rpm) とし, ベンジルアデニン (BA) とナフタレン酢酸 (NAA) を組み合わせたMS液体培地を用いた. その結果, BA 0.5〜4.0mg/lとNAA 0.01mg/lの組み合わせで効率よく苗条原基が誘導され, これらの苗条原基はBA 0.1〜0.4mg/lのMS固形培地に移植することにより容易に植物体を再生した. 苗条原基の長期の継代にはBA 1mg/lの培地が適当で, 2〜3週間間隔で継代し4年近く維持している. 長期にわたる苗条原基の維持には継代時に典型的な集塊を移植することが適当であり, その植物再生能は長期間の継代を経ても高率に維持された. 従って, この培養系は形質転換を含む組織培養の種々の実験系や新しい遺伝資源の保存形態として多くの場面で利用可能であると考えられた.
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