メロン完熟種子からの固形培地上での不定胚形成と発芽の向上
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概要
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メロンでは,子葉あるいは本葉からのカルスを経由した個体の再生について幾つか報告が有るものの,プロトプラストや不定胚からの再分化系はまだ十分確立されていない.再分化個体を安定的かつ大量に得ることを目的として,固形培地上で完熟種子から不定胚を誘導する方法を開発し,再分化率の向上を試みた.完熟種子を種々な形に切って固形培地上で不定胚を誘導し,不定胚を形成しやすい部位を特定した.また,最も効率的な切片の形を検討した.不定胚は子葉と胚軸の境目付近を切断した場合に,切断面の周辺から多く形成された.培養3週間後に不定胚を最も多く形成した切片は,幼根,月正軸と子葉基部の一部を含む菱形の片切で(Table 1),不定胚はこの切片の子葉部分を中心に形成された(Figure 1).殺菌後の種子の吸水程度と不定胚形成の関係を調査したところ,滅菌水中の浸漬時間が短くて吸水が不十分だと,不定胚はあまつ形成されないことが明らかになった.種皮を取り除いた乾燥種子が吸水を完了するには8〜10時間必要だったが,不定胚形成のためには,殺菌後に滅菌水中に2時間以上浸漬して吸水させることが必要であった(Figure2).
- 日本育種学会の論文
- 1991-12-01
著者
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