プロリンとアブシジン酸添加によるキュウリ子葉からの多芽体誘導と植物体再生率の向上
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概要
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キュウリ (Cucumis sativus) 子葉片 (2mm×2mm) からのベンジルアデニンによる多芽体誘導と植物体再生における, MS培地へのプロリンとアブシジン酸の添加の効果を検討した. まず, プロリン単独添加では, 10mMで切片からの多芽体誘導頻度と種子あたりの再生植物体数が最高となり, それぞれ無添加区の2.0倍, 2.8倍に向上した. またアブシジン酸単独添加では, 50μMで多芽体誘導頻度と植物再生数が最高となり, それぞれ無添加区の3.8倍, 7.8倍に向上した. さらに両者を同時に添加した場合では, 多芽体誘導の頻度は, 無添加区の4.0倍にあたる90%に, 1種子からの植物体再生数は9.9倍にあたる30.8本となり, 著しい効果が認められた. 今回の実験で明らかにしたキュウリの不定芽誘導と植物体再生率の向上によってキュウリの培養系は従来に増して幅広い利用が可能になると考えられる.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文
著者
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大澤 勝次
農業生物資源研究所
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SHETTY Kalidas
農業生物資源研究所
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SHETTY Geetha
農業生物資源研究所
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江面 浩
茨城県園芸試験場
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SHETTY Kalidas
茨城県園芸試験場
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SHETTY Geetha
茨城県園芸試験場
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