軟 X 線照射花粉を利用した二倍性種なしスイカ品種の果実と種子の特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
野生スイカおよび国内外のスイカ品種を用いて, 軟X線照射花粉を利用して作出した二倍性種なしスイカのしいな数としいなの大きさについて品種間差異, および果実品質について調査した.また, 軟X線照射線量が花粉の発芽率に及ぼす影響についても調査した.軟X線照射線量が高くなるに従って花粉発芽率が低下したが, 2000Gyまでは無照射花粉の発芽率との間に有意な差はなく, また花粉管は胚嚢に到達していることが確認された.軟X線照射花粉を利用した種なしスイカのしいな数およびしいなの大きさには, 明らかな品種間差異が認められた.普通スイカの全種子数と軟X線照射花粉を利用した種なしスイカのしいな数との相関は低かった(r=0.272).しかし, 正常種子の大きさと種なしスイカのしいなの大きさとの間には, 種子縦径 : r=0.943 P<0.001, 種子横径 : r=0.883, P<0.001の高い正の相関が認められた.軟X線照射花粉を利用した種なしスイカは, 大きさ, 果形, 果色, 果皮の厚さおよび糖度とも普通スイカと変わらず, 品質の高い二倍性種なしスイカが得られることが明らかとなった.
- 園芸学会の論文
- 2000-11-15
著者
関連論文
- スイカの軟X線照射花粉による受精と胚形成過程の組織学的観察
- 軟X線照射花粉の寿命と貯蔵花粉が種なしスイカの果実品質に及ぼす影響
- 軟 X 線照射花粉を利用した二倍性種なしスイカ品種の果実と種子の特性
- スイカにおける果実の硬さと組織・細胞の構造
- メロン完熟種子からの固形培地上での不定胚形成と発芽の向上
- イチゴの品質・収量構成形質ならびに早晩性に関する育種学的研究
- 橙黄色系キュウリにおけるβ-カロテン含量
- スイカの多雌花性および耐裂果性の育種に関する研究
- スイカの多雌花性育種
- スイカ幼苗の温度・長日処理による雌花着生性の検定法