Bacillus thuringiensis由来delta-endotoxin遺伝子の導入による耐虫性キク作出
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
キク〔Dendranthema×grandiflorum(Ramat.)Kitamura〕の生産現場では,害虫の発生による収量の減少や,防除のための化学農薬にかかるコスト増加,また化学農薬使用による環境への負荷が大きな課題になっている.そこでBacillus thuringiensis由来のdelta-endotoxin遺伝子を,キク品種`秀芳の力'に導入し,耐虫性キクの作出を試みた.B. thuringiensis var. kurstaki HD-1由来の遺伝子crylAbはキクの主要害虫の1つであるオオタバコガ(鱗翅目昆虫)に対して毒性を持つことが知られている.この遺伝子をバイナリーベクターpBI121に組み込み,Agrobacterium法にてキクに導入した.1,760枚の葉片より,92個体の植物体が再分化し,サザンプロット解析により,92個体すべてにBt遺伝子の存在が確認された.92個体より無作為に20個体を抽出し,ウェスタンブロット解析によりCrylAbタンパク質の合成量を同定したところ,可溶性タンパク質50μgあたり4.5ngから40ngのCrylAbタンパク質(0.009から0.08%)が検出された.可溶性タンパク質50μgあたり32.5ng以上のCrylAbタンパク質が検出された形質転換体では,非形質転換体に比べて,オオタバコガに対する生育抑制効果と食害抑制効果が有意に高かった.
- 日本育種学会の論文
- 2002-03-01
著者
関連論文
- イオンビーム照射による普通ソバ自家不和合性の打破
- カタラーゼ遺伝子を導入したキクの形質発現
- キク(Dendranthema×grndiflorum(Ramat.)Kitamura)プロトプラストからの植物体の効率的な再分化
- 花粉の貯蔵と子房培養を用いたラッキョウと他の食用ネギ属植物との効率的な種間雑種作出
- ツケナ"勝山水菜"の根こぶ病抵抗性付与による新品種の育成
- 根こぶ病抵抗性ツケナ新品種「勝山ミズナ1号」
- Bacillus thuringiensis由来delta-endotoxin遺伝子の導入による耐虫性キク作出
- アグロバクテリウム法によるキク(Dendranthema × grandiflorum(Ramat.)Kitamura)へのBt 遺伝子の効率的導入
- 細胞融合によるキク(Dendranthema×grandiflorum(Ramat.)Kitamura)とハイイロヨモギ(Artemisia sieversiana J.F.Ehrh.ex.Willd)の体細胞属間雑種の作出
- キク(Dendranthema×grandiflorum(Ramat.)Kitamura)葉片における安定的なAgrobacterium形質転換系の確立
- (126) ウイルスフリーラッキョウの乾腐病発病に及ぼす施肥の影響 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- ラッキョウおよびその近縁種とアリウムとの種間雑種の特性
- 種間交雑による多用途調理用ラッキョウ新品種の育成
- 子房培養によるニホンズイセンの雑種作出
- ラッキョウとその他の食用ネギ属植物との種間雑種の生育および形態的特性
- 節培養による種なしスイカの増殖技術
- 胚培養によるラッキョウとその他のネギ属野菜との種間雑種の作出
- トマトに発生したタバコモザイクウイルスの遺伝子解析と宿主範囲
- 胚珠一胚培養によるラッキョウ(Allium chrnense)×ヤマラッキョウ(A. thunbergii)の種間雑種の作出
- ミディトマトに発生したTobacco Mosaic Virusの諸性質
- メロンの苗条原基誘導と植物再生能の維持
- 秋咲きアリウム'オータムヴィオレ'の育成
- 秋咲きアリウム属種間雑種の切り花用新品種「ハイブリッドアリウム1号」
- 多用途ラッキョウ新品種「ハイブリッドラッキョウ1号,2号」
- 調理用ラッキョウ新品種「ハイブリッドラッキョウ1号・2号」の特性
- ラッキョウのウイルスフリ-苗の育成増殖