花粉の貯蔵と子房培養を用いたラッキョウと他の食用ネギ属植物との効率的な種間雑種作出
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概要
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ラッキョウ(ラクダ系福井在来)とネギとの種間交雑において,効率的に雑種を作出するためのラッキョウの子房培養条件について検討した.開花期の不一致を克服するため食用ネギ属植物の花粉の採取,貯蔵についても検討し,確立された条件をもとにラッキョウと食用ネギ属植物との種間交雑を試みた. ラッキョウを母親とし,花粉親にネギ,タマネギ,ボンベイオニオン(分球性タマネギ),ニラ,グレートヘッディドガーリックを用いた.花粉の貯蔵温度は,5℃よりも-30℃のほうが花粉の発汗率の低下を防ぐことができた.貯蔵期間は,-30℃のネギ,タマネギで貯蔵開始後2年6か月間,発芽率をかなり高く維持することができたが,5℃では1年6か月後にはすべての植物の花粉発芽率がOになっていた(Fig.1).ネギを除いて採取時の花粉発芽率がすべて低かったので,ネギ以外の植物について開縞直後から経時的に花粉発芽率を調査したところ,開箱3時間以内の花粉で,すでにネギの24時間以内の花粉の発芽率より劣っていた(Fig.2).それぞれの花粉発芽率は開菊6時間後までは低下を続けたが,その後12時間目までは大きな変化はなく,12時間から24時間の間に大きく低下した.このことから,花粉の採取は開菊直後か,遅くとも12時間以内には採取すべきと判断された.
- 日本育種学会の論文
- 1994-06-01
著者
-
前田 桝夫
福井大学教育学部
-
前田 桝夫
福井大 教育地域科学
-
前田 桝夫
福井大学教育地域科学部
-
野村 幸雄
福井県庁
-
野村 幸雄
福井県農業試験場
-
土屋 孝夫
福井県農業試験場
-
真柄 紘一
福井県農業試験場
-
真柄 紘一
福井農試
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