ニンニクから分離された新ウイルス, ニンニクダニ伝染モザイクウイルス
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概要
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モザイク症状を呈するニンニク (Allium sativum L.) から長さ700〜800nmのひも状ウイルスが分離された。本ウイルスはニンニクおよびリーキに全身感染したほか, Chenopodium murale, C. quinoaおよびセンニチコウなどに局部感染した。本ウイルスはチューリップサビダニで伝搬されたが, アブラムシでは伝搬されなかった。純化ウイルスから, SDS-PAGEにより30 kDaおよび28.5 kDaのタンパク質が検出された。本ウイルスはリーキイ***ーストライプウイルス, ネギ萎縮ウイルスおよびニンニク潜在ウイルスの各抗血清には反応せず, ニンニクおよびC. muraleの感染細胞内には細胞質封入体は観察されなかった。本ウイルスゲノムRNAの3'末端から2518塩基の配列を決定した。この領域は, 40 kDaタンパク質, 外被タンパク質と推定される28 kDaタンパク質および15 kDaタンパク質をコードすると思われた。これらの遺伝子の配置および翻訳産物のアミノ酸配列は, 未分類のshallot virus Xおよびgarlic virus (GV) -A, -B, -C, -Dと類似していた。28 kDaタンパク質のアミノ酸配列の相同性は, GV-Cとは98%, 他の4種ウイルスとは60〜67%であったことから, 本ウイルスとGV-Cは同種のウイルスであると考えられた。本研究により性状が明らかになったウイルスを, ニンニクダニ伝染モザイクウイルス (garlic mite-borne mosaic virus : GMbMV) と命名するよう提案したい。
- 日本植物病理学会の論文
- 1996-10-25
著者
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