(20)ユリおよびプリムラから分離されたポテックスウイルスについて
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概要
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モザイク症状を呈するユリとプリムラから長さ約550nmのひも状粒子が観察された.数種指標植物に接種した結果,ツルナに局部斑点を生じた.Chenopodium quinoaやセンニチコウに局部えそ斑点を生じた.分離したウイルスのウェスタンブロッティングでは,Lily virus X,ユリ潜在ウイルス,Lily mottle virusなどの数種ひも状ウイルス抗血清とは反応しなかった.さらに,既報のポテックスウイルスの配列からプライマーを作製し,外皮たんぱく質翻訳領域のRT-PCRを行ったところ,いずれのウイルスからも約1.1Kbpの増幅断片が得られた.得られた増幅遺伝子の塩基配列は,Plantago asiatica mosaic virusと78.8〜79.3%の高い相同性を示し,その他のポテックスウイルスとは50〜59%であった.アミノ酸配列では,Plantago asiatica mosaic virusと91.3〜91.7%,その他のポテックスウイルスとは38〜56%であった.以上のことから,ユリおよびプリムラから分離したポテックスウイルスはPlantago asiatica mosaic virusに近縁のウイルスと思われ,異同については今後検討したい.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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