(27)抗合成ペプチド抗血清を利用した数種ひも状ウイルスの検出
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概要
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ネギ属などユリ科植物のウイルスは分離・純化が困難な場合が多く,診断に優良な抗血清を作製することも困難である.そこで,ユリ科植物に発生するアレキシウイルス4種,ポティウイルス2種,カルラウイルス2種について,報告された外被タンパク質(CP)アミノ酸配列を基に抗原部位を推定し,合成したペプチドを抗原として抗血清(map抗血清)を作製した.それらと通常のウイルス粒子抗血清とを比較し,血清学的診断への実用性を検討した.供試した4種のアレキシウイルス粒子抗血清では交叉反応する組み合わせがあったが,これらのmap抗血清の反応特異性は高かった.タマネギ萎縮ウイルスやユリ潜在ウイルスでは,map抗血清もウイルス粒子抗血清同様に交叉反応する場合も見られたが,リーキイ***ーストライプウイルスやシャロット潜在ウイルスのmap抗血清の反応特異性は高かった.ウェスタンブロット解析の結果,各map抗血清は完全なCPバンドと強く反応した.以上の結果から,純化が困難なウイルスに対するmap抗血清は,診断用として有望と思われた.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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