日本でトマトに発生した tomato yellow leaf curl Virus
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概要
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静岡県と愛知県のトマトにジェミニウイルスによる病害が発生した。静岡県のウイルスはタバココナジラミ(バイオタイプ B)により伝搬されたが, 汁液伝染はしなかった。宿主範囲は非常に狭く, わずかに2科5種の植物への感染が認められた。D. stramonium 感染葉から部分純化したサンプルには, 多数の双球形ウイルス粒子が観察された。ジェミニウイルスの DNA A 成分を特異的に増幅するように設計された PCR プライマーを用いた PCR 法により, ウイルス感染植物から特異的なバンドが検出された。両県のウイルスはイスラエルの tomato yellow leaf curl virus (TYLCV) の mild isolate と塩基配列のホモロジーが非常に高かった。DNA A 成分のゲノム構造は TYLCV と同一で, 6つの ORF にコードされるアミノ酸配列は TYLCV の mild isolate と95%以上のホモロジーであった。これらの結果より, 静岡県と愛知県のトマトに発生したウイルスは TYLCV と同定され, イスラエルの mild isolate ときわめて近縁であることが判明した。日本で TYLCV の発生の報告は初めてであるので, 病名としてトマト黄化葉巻病を提案する。
- 日本植物病理学会の論文
- 1998-12-25
著者
-
加藤 公彦
静岡県農林技術研究所
-
大貫 正俊
九州農試
-
大貫 正俊
九州農業試験場
-
花田 薫
九州農業試験場
-
加藤 公彦
静岡県農業試験場
-
藤 晋一
愛知県農業総合試験場
-
藤 晋一
秋田県大生資
-
大貫 正俊
熱研沖縄
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