葉緑体DNAと核マイクロサテライト変異にもとづく静岡県内ブナ集団の遺伝的系統の推定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
静岡県のブナ集団の遺伝的系統を推定するため, まずブナの分布域全体にわたる55集団を用いて葉緑体DNA (cpDNA) ハプロタイプの地理的分布を調べた。調査した集団にはハプロタイプD, EおよびFの3種類が存在し, 中部地方の太平洋側に分布するDとEが大部分を占めていた。次にブナの分布域および明らかとなったハプロタイプの地理的分布にもとづいて6集団を選定し, 核マイクロサテライト (nSSR) により遺伝的多様性を調査した。nSSR座の対立遺伝子頻度から計算された集団間のDA距離にもとづいた無根近隣結合樹から, 調査した集団は全て太平洋側の系統群に属し, 地理的な位置関係と一致することが明らかとなった。nSSR座の対立遺伝子頻度は集団間でほぼ均一であったが, cp DNAハプロタイプの地理的分布には構造が認められた。この差異はcpDNAと核DNAの遺伝様式に起因する遺伝子流動率の違いを反映していると考えられる。
著者
-
高橋 誠
森林総合研究所林木育種センター
-
加藤 公彦
静岡県農林技術研究所
-
高橋 誠
独立行政法人森林総合研究所林木育種センター遺伝資源部
-
加藤 公彦
静岡県農林技研
-
山田 晋也
静岡県農林技研 森林・林業研究セ
-
山本 茂弘
静岡県農林技研 森林・林業研究セ
-
袴田 哲司
静岡県農林技研 森林・林業研究セ
-
片井 秀幸
静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センター
-
平岡 宏一
名古屋大学大学院生命農学研究科
-
戸丸 信弘
名古屋大学大学院生命農学研究科
-
戸丸 信弘
名古屋大学
-
山本 茂弘
静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センター
-
山田 晋也
静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センター
-
袴田 哲司
静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センター
関連論文
- 静岡県における広葉樹の遺伝的構造(2)静岡県産ケヤキ精英樹のハプロタイプと開芽日との関係
- 静岡県における広葉樹の遺伝的構造(2)静岡県産ケヤキ精英樹のハプロタイプと開芽日との関係
- 八甲田ブナ施業指標林のブナ天然更新施業における前更更新の重要性
- 緑化植物の病害防除活性の評価(第37回大会)
- マツ材線虫病抵抗性クロマツの母樹と実生家系苗の組織変性
- 6量体キチンが誘導するエリシター応答発光と過酸化水素との量的相関
- 高齢なブナのさし木増殖
- ケヤキの挿し木に対するα-ケトールリノレン酸(KODA)及びインドールブチルラクトン(IBL)の効果
- ミズキ苗の成長に対する菌根菌資材と籾殻くん炭の効果
- マツノザイセンチュウによるクロマツ組織の変性と個体枯死との関係
- マツノザイセンチュウを接種したクロマツから発生する微弱発光
- (53)各種植物生育促進菌類(PGPF)の培養ろ液を処理したキュウリからの超微弱発光の検出(関西部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- メロン黄化えそウイルスのL RNA分節の全塩基配列
- 静岡県で発生したキクわい化ウイロイド(CSVd)の塩基配列とキク品種の病徴
- インパチエンスネクロティックスポットウイルス(INSV)によるトルコギキョウえそ斑紋病(新称)
- (404)メロン黄化えそウイルスM RNA分節の末端配列における塩基変異の解析(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Iris yellow spot virus (IYSV)によるトルコギキョウ(Eustoma grandiflorum)えそ輪紋病
- (280)Iris yellow spot virus (IYSV) によるトルコギキョウえそ輪紋病(新称)およびインパチエンスネクロティックスポットウイルス (INSV) によるトルコギキョウえそ斑紋病(新称)(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- メロン黄化えそウイルス静岡株のM RNAおよびL RNAの全塩基配列の決定(九州部会講演要旨)
- メロン黄化えそウイルスのS RNAの特性
- 日本に発生したトマト黄化えそウイルス(TSWV)によるキク(Chrysanthemum morifolium Ramat.)えそ病
- 日本でメロンに新病害を発生させた病原の伝染方法,宿主範囲および電子顕微鏡観察
- (66) 我が国のトマト黄化えそウイルス(TSWV)7分離株のS-RNAの3'末端塩基配列の比較 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (65) 沖縄県で分離されたスイカ灰白色斑紋ウイルス(WSMV)のNタンパク質領域の塩基配列 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- 日本でトマトに発生した tomato yellow leaf curl Virus
- (394) 静岡県で発生したキクわい化ウイロイド(CSVd)の塩基配列とキク品種の病徴
- (14) 長崎県のトマトに発生したジェミニウイルスの塩基配列 (九州部会)
- (66) 我が国のトマト黄化えそウイルス(TSWV)7分離株のS-RNAの3'末端塩基配列の比較 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- 若い実生の冬芽培養によるイタヤカエデ幼植物体の再生
- 静岡県における広葉樹の遺伝的構造(1)葉および冬芽を用いたDNA抽出法の検討
- 冬芽培養によるジゾウカンバ幼植物体の再生
- (408) 病害抵抗性誘導物質の前処理がコムギ及びバレイショにおけるエリシター応答発光(ERPE)に及ぼす影響(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 生物微弱発光(バイオフォトン)を利用した病害抵抗性誘導剤の探索システム
- イネ培養細胞からのエリシター応答発光に対する過酸化水素の関与について(学術報告)
- (289) 過酸化水素が誘導するイネ培養細胞のバイオフォトンの特性(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (288) イネ培養細胞のエリシター応答発光への過酸化水素の関与(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 病害抵抗性誘導物質の前処理により増強される各種エリシター応答発光の特性
- (215) 病害抵抗性誘導物質の前処理により増強される各種エリシター応答発光の特性(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネ培養細胞における病害抵抗性誘導物質の違いによるプライミング効果の差異
- バイオフォトン(生体微弱発光)とその利用 : 求められる定量的な把握. 植物の抵抗性誘導状態の評価に期待
- (196) カボチャモザイクウイルス(WMV)の越冬源植物(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (71) 抵抗性誘導剤処理によるイネ培養細胞のエリシター応答発光の増強は細胞の培養齢によって大きく変化する(平成17年度日本植物疾理学会大会講演要旨)
- (70) エリシター応答発光の増強は抵抗性誘導物質の前処理によりプライミングを受けた細胞で起こる(平成17年度日本植物疾理学会大会講演要旨)
- (69) キチンエリシターによるイネ培養細胞の応答発光に関わる生化学反応及び物質の解明(平成17年度日本植物疾理学会大会講演要旨)
- (191)エリシター応答発光を利用した抵抗性誘導剤の検出系に適するエリシターの選定(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (190)抵抗性誘導物質の前処理によりイネ培養細胞のエリシター応答発光が増強される(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ケヤキの挿し木に対するα-ケトールリノレン酸(KODA)及びインドールブチルラクトン(IBL)の効果
- 若い実生の冬芽培養によるイタヤカエデ幼植物体の再生
- ミズキ苗の成長に対する菌根菌資材と籾殻くん炭の効果
- メロン黄化えそウイルスのS RNAの特性
- 石戸カバザクラにおけるクローンの同一性についてのSSR分析
- (216) ササクレシロオニタケから単離した2-アミノ-3-シクロプロピルブタン酸のキュウリ炭疽病菌及び各種細菌に対する抗菌活性(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ブナ二次林からの採種方法の違いによる苗木集団への遺伝的影響
- ブナ高齢個体のさし木増殖
- 研究室訪問シリーズ(12)森林総合研究所林木育種センター 分類同定研究室・特性評価研究室
- 静岡県における広葉樹の遺伝的構造(1)葉および冬芽を用いたDNA抽出法の検討
- 冬芽培養によるジゾウカンバ幼植物体の再生
- 第5回広葉樹造林にかかる遺伝的多様性研究会記録
- 植物はなぜ光るか : その原因と利用
- (407) 各種病害抵抗性誘導物質処理がブドウ培養細胞のエリシター応答発光(ERPE)に及ぼす影響(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 採種園設計のためのVisual Basicプログラム「Mixed」の開発・評価と設計の作業効率に影響する要因
- 静岡県産スギ精英樹挿し木系統の動的ヤング率
- DNAマーカーを利用した静岡県産スギ精英樹の分類
- カバノキ属樹種における根片埋設処理による外生菌根の形成と成長
- SSRマーカーを用いたスギ遺伝子保存林における遺伝的多様性の評価--福島県会津地方に設定されている採種源林分と子林分の解析結果
- アカエゾマツ天然林集団の遺伝的多様性
- 絶滅危惧種ナガボナツハゼの組織培養による増殖
- メロン黄化えそ病 (病害)
- 静岡県におけるメロン黄化えそ病根絶の経過
- トマトの新しいウイルスTYLCVの発生
- 日本におけるトマト黄化えそウイルスによるキクえそ病の特徴と被害
- 遺伝マーカーを用いた樹木集団内遺伝構造の空間解析手法 (特集 森林資源統計学)
- 葉緑体DNAと核マイクロサテライト変異にもとづく静岡県内ブナ集団の遺伝的系統の推定
- 静岡県産スギ精英樹挿し木系統の動的ヤング率
- Clonal variation of carbon content in wood of Larix kaempferi (Japanese larch)
- カバノキ属樹種における根片埋設処理による外生菌根の形成と成長
- 絶滅危惧種ナガボナツハゼの組織培養による増殖
- DNAマーカーを利用した静岡県産スギ精英樹の分類
- 林木遺伝資源保存林シリーズ(12)ブナ科ブナ属
- 有用広葉樹と絶滅危惧種の遺伝的地域変異の解明及び育苗技術 (特集 国際森林年--震災復興に林業・木材産業はいかに貢献できるか)
- 2006年秋にスペインで開催されたIUFRO国際学会に参加して
- ブナ(Fagus crenata)の集団内における遺伝変異と遺伝構造
- ブナ(Fagus crenata)の集団内における遺伝変異と遺伝構造
- 95. バイオフォトンは植物のストレス応答におけるシグナルクロストークを反映する(口頭発表,植物化学調節学会第46回大会)
- Efficiency of the indirect selection and the evaluation of the genotype by environment interaction using Pilodyn for the genetic improvement of wood density in Cryptomeria japonica
- お役に立ちます!最新研究紹介 広葉樹の遺伝的地域変異 : 有用広葉樹・絶滅危惧種の遺伝子解析
- 伊豆半島における糞粒法によるニホンジカの生息密度推定
- 伊豆半島における糞粒法によるニホンジカの生息密度推定
- 雄花着花量の少ない静岡県産ヒノキ精英樹のさし木適性
- 雄花着花量の少ない静岡県産ヒノキ精英樹のさし木適性
- 植物はなぜ光るか : その原因と利用(公開シンポジウム)
- スギ花粉の飛散を抑えるSydowia japonicaの感染機構
- 絶滅危惧種ナガボナツハゼの組織培養による増殖
- 静岡県における広葉樹の遺伝的構造(2)
- カバノキ属樹種における根片埋設処理による外生菌根の形成と成長
- DNAマーカーを利用した静岡県産スギ精英樹の分類
- 2B13 植物の高温ストレス障害の軽減効果をもつ化合物の探索(生物活性・検定法 環境科学・生態影響,一般講演要旨)
- 九州で発生したトマト黄化葉巻ウイルスの分子的特徴とその特異的検出
- 捕獲がニホンジカ(Cervus nippon)に与えるストレス : 血清コルチゾールとクレアチンキナーゼの測定
- スギ花粉の飛散を抑える Sydowia japonica の感染機構