カバノキ属樹種における根片埋設処理による外生菌根の形成と成長
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概要
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カバノキ科樹種の根系に形成された外生菌根が種苗の成長に及ぼす影響を明らかにするため,ミズメとジゾウカンバの実生苗の根元に,外生菌根が形成されているミズメ成木の根片を埋設処理し,菌根の共生状況を調査した.ミズメでは74%の個体に,ジゾウカンバでは52%の個体に黒色の外生菌根を形成させることが可能であった. ミズメとジゾウカンバの稚苗の根系に優占的に形成された外生菌根は,形態からC. geophilumであると推察された. これらの稚苗を,根片処理・菌根形成区, 根片処理・菌根非形成区, 無処理・菌根形成区の3区に分けて, 赤玉土, バーミキュライト,ピートモスを3:1:1に混合した用土に植栽し,成長を調査した. ミズメでは,移植の12ヶ月後と25ヶ月後の根片処理・菌根形成区の平均葉数が根片処理・菌根非形成区, 無処理・菌根非形成区を有意に上回り, 25ヶ月後の根片処理・菌根形成区の平均苗高と平均根元径も有意に大きかった. ジゾウカンバでは,植栽の5ヶ月後,12ヶ月後,25ヶ月後における根片処理・菌根形成区の葉数が根片処理・菌根非形成区と無処理・菌根非形成区を有意に上回り,25ヶ月後には平均苗高と平均根元径でも有意に大きかった.
- 静岡県農林技術研究所の論文
- 2011-02-00
著者
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