Iris yellow spot virus (IYSV)によるトルコギキョウ(Eustoma grandiflorum)えそ輪紋病
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概要
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1998年1月及び1999年6月に静岡県で,また2001年には佐賀県で施設栽培のトルコギキョウに,葉にえそやえそ輪紋等の症状が発生した.これら発病株からウイルスを分離し,T2, T3, SGA及びSG1分雑株を得た.4分雑株の汁液接種によりトルコギキョウで原病微が再現された.T2及びT3分離株の宿主範囲は狭く,13科25種の植物のうちで,3科4種のみに全身感染した.T2及びSG1分離株はミカンキイロアザミウマでは媒介されず,ネギアザミウマのみにより媒介された.発病株を電子顕微鏡で観察した結果,平均粒子径85nmの球状粒子が認められた.DAS-ELISA法でT2及びT3分離株ともにIYSV抗体と強く反応したが,TSWV及びINSV抗体には反応しなかった.4分離株のヌクレオキャプシドクンパク質のアミノ酸配列を解析した結果,T2及びSG1分離株はオランダで発生したIYSVと相同性がそれぞれ97.8%,97.1%であり,T3及びSGA分離株はブラジルで発生したIYSVとのそれが97.4%, 97.8%であった.以上から,4分離株をIYSVと同定した.本病害をえそ輸紋病と命名する.IYSVのトルコギキョウヘの病原性は系統により多少異なることと,IYSVに対するトルコギキョウの感受性には品種間差があることが明らかとなった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-08-25
著者
-
加藤 公彦
静岡県農林技術研究所
-
奥田 充
九州沖縄農研
-
奥田 充
九沖農研
-
花田 薫
中央農研
-
善 正二郎
佐賀県上場営農センター
-
加藤 公彦
静岡県農業試験場
-
花田 薫
九州沖縄農業研究センター
-
土井 誠
静岡県農業試験場
-
中村 宏子
佐賀県農業技術防除センター
-
土井 誠
静岡県農林技術研究所
-
奥田 充
九州沖縄農業研究センター
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