ヨーロッパ中南部,北アフリカ及び西アジア地域のトールフェスク(Festuca arundinacea SCHREB.)自生集団にみられた季節生産性及び諸特性の変異
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概要
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ヨーロッパ大陸中南部,北アフリカ及び西アジア地域のトールフェスク自生集団及び品種25点を比較3品種(ヤマナミ,ホクリョウ,Fawn)とともに特性評価を行った。ヨーロッパ大陸の自生集団は,主として低標高地自生の早生5系統と高標高地白生の極晩生7系統に区分された。北アフリカ及び西アジアの自生集団及びこれらに由来する13品種・系統は,早生及び中生で,その多くは稈長及び穂長が大であった。季節生産性関連15形質に基づいて主成分分析を行ったところ,第1主成分は生長の盛んな時期,第2主成分は年間の生産力.第3主成分は生育初期における夏季及び秋季の生長と後期におけるそれとの相互関係を反映していると考えられた。北アフリカ及び西アジアの品種・系統は地中海型に属する群で,生長の盛んな時期が低温・短日条件である晩秋から春季に至る期間であり,一般的に夏季の生長が劣った。地中海型は,第2及び第3主成分の分布から,MI群-MIII群に分けられた。ヨーロッパ中南部の系統及び比較3品種は,春季から秋季に至る期間を主たる生長の時期とし,第1-3主成分によってEI及びEIIに分けられた。EI群は出穂性及び季節生産性においてヤマナミ及びFawnと類似し,九州農試の環境条件において最も適応性が高いと考えられた。また,北アフリカ及び西アジアの自生集団及びこれらに由来する品種・系統は,冠さび病抵抗性が極めて優れていた。
- 1992-01-31
著者
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