鶏卵生産費の実態と低減の可能性
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概要
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現在の多くの養鶏経営は赤字経営におかれており,またWTO体制下で国際競争を強いられつつある。そのため生産費の低減が何より重要な課題である。そして生産費の内飼料費,労働費,成鶏費,建物施設・農機具費といった4費目の占める割合が90%以上であるため,この4費目の低減が生産費低減の必修条件である。また現在においては建物施設・農機具費を増やすと労働費が節約される傾向にあるため,二つの費目をあわせて一つの費目にし,設備・労働費とした。そこで本研究の目的は,上述の3費目を低減させるにはどのような方法が必要であり,それらの低減はどの程度にしなければならないかをアンケートの調査票をもとに解明することである。その結果,次のようなことがいえる。この3項目のコストをダウンさせるためには,飼料及びヒナの導入において最も有利な購入方法の開発,そして機械化による労働費の削減などが必要といえる。したがって購買面においては広範な価格情報の入手により購入チャンネルを多様化し,購買資材の幅広い市場競争を通じてより安く資材を購入すること。生産面においてはウインドウレスなどの機械化をはかることと販売面においては生産と結びついた流通施設を導入することがカギであると考えられる。しかし機械化による規模拡大などは現在の鶏卵生産量などを考え,慎重にすすめるべきであろう。またコストダウンの具体的目標は,鶏卵1kg当たり飼料費62.55円,設備・労働費21.93円,成鶏費23.57円をクリアすることである。これの達成が赤字経営からの脱皮,国際競争での勝ち抜きのための第一歩と思われる。
- 岐阜大学の論文
- 1996-11-28
著者
-
杉山 道雄
Gifu City Women's College
-
杉山 道雄
岐阜大学農学部
-
小栗 克之
岐阜大学農学部
-
小栗 克之
岐阜大学大学院連合農学研究科
-
趙 訓
慶北大学
-
趙 [ヨウ]訓
慶北大学
-
山下 優孝
岐阜大学農学部生物生産システム学科
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