国際食肉インテグレーションに関する考察 : 日本商社の米豪への進出形態

概要

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牛肉の貿易自由化後,牛肉輸入は1991年に32.7万トンに達し,38万トンヘと拡大が見込まれているが,牛肉関連企業は海外進出を果たしその企業数は過去4年間に100社以上となっている。そこで日本の総合ないし専門商社がどのような進出形態でどのように進出しているか,事例調査を通じて明らかにしようとした。日本の進出企業は総合商社,食肉専門商社,大規模小売店や生協及び食肉卸売商や加工業者などである。海外に進出する場合まず1)商社の現地法人を設立し,2)ミートパッカーなどとの購入契約,合弁会社(パッナー),企業買収(フィードロット)へと進み,さらに3)子牛生産牧場の買収へと進む,そして日本的肉牛飼育技術を伝授・指導するという順序であある。しかし進出国別にみた場合,アメリカヘはフィードロットやパッカーとの提携・契約など契約型が多く,オーストラリアでは農場買収など所有型が多くみられるのは,前者でのフィードロット型グレイン肥育段階が確立し,日本の牛肉に近いのに対し,後者では肥育段階が未分化で牧場肥育が多く,グラスフェッド牛肉中心である,よって日本的牛肉により近づけるため,所有型が多いと考えられる。
1992-12-25