畜産経営における環境問題とその対応 : 岐阜県中濃地域における事例分析

概要

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畜産経営は,増加する畜産物の需要に対し,飼養規模を拡大し,購入飼料依存及び単一化の方向で展開してきた。そのため,家畜の糞尿処理問題が発生した。他方,農家の兼業化や農村の新住民による混住化が進み,家畜糞尿による畜産公害問題が生じ,畜産経営の発展を阻害する要因となっている。このような状況で,畜産が安定的な発展をするためには,環境保全のための家畜糞尿処理が最も重要になってくる。家畜糞尿の処理方式は地域のおかれている条件によって違ってくるため,地域別に適切な糞尿処理と利用方式を検討するのが本研究の目的である。方法としては,個別調査と優良事例を用いて堆肥化施設の類型化を図り,畜産環境意向調査集計・整理することにより,地域別の糞尿処理方式を見いだした。その結果は次のようである。(1)都市的地域では,都市化のため,苦情が発生し易く,また畜産農家の労働力も他の地域と比べ劣るため,農協型共同処理方式が適当と思われる。(2)平地農業地域では,農業生産に占める畜産の割合が高く,都市化の進展により個人では充分対応できないので,農協型または供給者側処理の任意組合型共同処理方式が適当であると思われる。(3)中間農業地域では,畜産の比重は低く,耕種部門で土地作りの必要性があるため,畜産農家で一次処理,耕種農家で二次処理する任意組合型の共同処理方式が適当と思われる。(4)山間農業地域では,小規模で,販売及び土地還元先が確保されているので,個人処理方式または農協型共同処理方式が適当と思われる。
1993-12-25

畜産経営における環境問題とその対応 : 岐阜県中濃地域における事例分析

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