スリランカと日本における農業的土地利用法の比較検討

概要

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本研究は日本のスリランカにおける農業的土地利用に関する法律と経済構造をとりあげ検討したものである。今日両国に存在する土地利用関係の法律は,歴史的土地利用慣習と土地利用政策によって制定されたものである。自然条件からみれば,スリランカの国土面積は65,610km^2であり日本の1/5であるが,平地は76%で農用地は40%である。それに対し日本は山地が67%であり,農用地は14.7%にすぎない。植民地以前のスリランカは,日本の封建期のように,水利施設の造成や草肥による農業が展開していた。しかし,ポルトガル,オランダ,英国は植民地政策の一環として,農民の農地をとりあげ,プランテーションを造り,その面積は80万haにのぼった。独立後スリランカはプランテーションの国有化が進み,国土面積の80%は国有地となった。反面,日本の場合は,国土の80%が民有地である。国有化したプランテーションの生産性は悪く,民営化の方向で動いている。今後のスリランカの土地所有,利用の個別化とその法的政策が必要となっている。スリランカでは,農地の個別化を進める方向であるが,特に,戦後の農地改革,それに続く農業基本法,農業振興地域の整備に関する法律などの検討が必要となろう。さらに,農地の個別化に際しては日本で見られたような高地価,都市への人口集中,農地減少などの問題を考慮に入れる必要がある。
1995-12-28

スリランカと日本における農業的土地利用法の比較検討

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