畜産副生物の利用と価格のアジア諸国間比較

概要

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日本の食肉価格は他の国々に比べて一般的に高価格であるが,その原因の一つは副生物の低価格にある。なぜなら,基本的には食肉価格は家畜の生体価格によって規定されるが,生体は枝肉と副産物(主に副生物)によって構成されるからである。そこで副生物のアジア諸国価格比較を通して日本の副生物の価格構造を明らかにすることが,本稿の目的である。方法としては,メイル・サーベイ(Mail Survey.1993年)よりアジア諸国の精肉と副生物価格のデータを集めて分析し,日本については,食肉通信社発行の「食肉通信」1993年1月から11月分を利用した。その結果は次のようである。1)畜産副生物の価格を国際比較してみると,日本では精肉価格の約10%〜30%にすぎないが,他の国では約50%であり,日本では精肉価格と比べて非常に安いことがわかった。2)所得(1ヵ月1人あたり)に対する畜産副生物の価格(1kg当り)は,日本ではすべての副生物の価格比が1%未満であるが,その他では1%以上である。特に,韓国のテールは約10%を占めている。3)日本での畜産副生物の利用は著しく少ない。利用される場合は大部分食用であるが,今後,飼料用,工業用,医薬用に利用される可能性も大きい。そのためには加工技術の開発も必要であろう。
岐阜大学の論文
1994-12-28

畜産副生物の利用と価格のアジア諸国間比較

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