韓国と日本の農業構造の比較

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韓国は日本のように山が多くて平野が少ない。こういう条件の類似性のため,韓国の農政の多くは日本の農政を見本として立てられた。しかしながら韓国はかつてから中央集権的統治体制であったため,日本のような地方経済圏が形成されていない。このため韓・日間には目に見える差がある。そこで本研宛ては韓・日の農業構造の相違とその要因について比較検討することおよび韓国農業の構造的特徴について考察することを目的とした。方法としては目的に即し,既存の文献,研究報告及び統計資料(Secondary data)を基に整理して比較し,検討した。1戸あたり平均耕地面積は韓国,日本それぞれ1.2ha,1.3haでほぼ同じであるが,農業を取り巻く条件としての(1)耕地構成は韓国の水田作物化傾向に対して日本では水田の減少に件う畑地率の増加傾向(2)兼業化率はそれぞれ22%,85%で,韓国は専業農家率が高く,日本は兼業農家率が高い。(3)農家の階層間の動向は韓国が中下層標準化,日本が両極分化である。(4)主要農業機械普及率においては韓国が48%,日本が109%である。また,(5)農産物の消費構造は穀物以外の項目が増加しているが,韓国の場合,日本の10-15年前と似ている。このように韓国の農業は日本に比べて1)機械化分野で20年ほど,2)消費構造で10-15年ほどの遅れがみられるが,全体として韓国農業の発展が遅れたのは1)工業の部門の労働力の吸引力の弱さ,2)韓国の工業化(輸出指向工業化戦略など),都市化がソウル一極集中化を目指したため(すなわち,地場産業の未発達)であろう。そのため農業への過剰就業から農業の機械化が遅れたとみなされる。
1991-12-25

韓国と日本の農業構造の比較

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