カエル骨格筋の収縮性に対する麻痺性貝毒の影響

概要

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麻痺性貝毒gonyautoxins (GTXs), フグ毒tetrodotoxin (TTX)および筋弛緩剤curareについて, カエル縫工筋標本の収縮性におよぼす影響を比較検討した。1. 被検毒物はリンゲル液で希釈して所要の濃度に調製した。実験開始直前にカエル縫工筋organ-bath内に懸垂し, 被毒物をbath内に加えて筋標本を浸漬した。これについて, 一定の反復電気刺激を加え, 単収縮曲線を常法に従って煤煙紙上に連続的に描記させ, 収縮曲線を作成した。2. 1.0,5.0および10.0MU/mlのGTXs液に浸漬した筋標本においては, GTXs濃度が高くなるにつれて, 収縮曲線の持続時間と収縮高の半減期が共に短縮した。これにより, GTXsが筋実質になんらかの作用を及ぼしていると推測した。3. 1.0,5.0および10.0MU/mlのTTX液に浸漬した筋標本においても, GTXs液浸漬標本の場合に, 濃度の増加とともに収縮持続時間および収縮高の半減期は反比例的に短縮した。このことから, 筋実質がTTXに強く影響されることをうかがうことができた。4. Curareについては, 50μg/mlというかなりの高濃度で実験を行なったが, 正常標本と同様の収縮曲線を示し, 筋実質に対するcurareの影響は認められなかった。
神戸大学の論文
1985-01-31