骨格筋活動におよぼす麻痺性貝毒の影響 : 単一NMUの放電間隔時系列の解析

概要

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1. ウサギについて, GTX群(麻痺性貝毒)の骨格筋活動に及ぼす影響を筋電図学的に検討した。ウサギの耳静脈にGTX群(5.0MU/kgまたは7.0MU/kg)を投与し, 腓腹筋から単一NMUの放電を経時的に記録して, 放電間隔時系列を求めた。この時系列から不規則な変動を求め, ついで, この変動から, 方式に従って, H型変動とR型変動を分離して取り出し, それぞれの変動に検討を加えた。2. GTX群の投与によって, H型変動の周期は延長するが, これに伴って平均放電間隔もまた増加するので, C曲線の傾斜にはほとんど変化は認められなかった。このことより, GTX群は骨格筋活動を支配する大脳皮質運動野の神経活動に対してはほとんど影響を及ぼさないものと解釈した。3. R型変動では, 投与直後から2時間後までは, 周期は延長を示したが, その後は次第に減少し, 投与後4時間では投与前の値を示すに至った。この結果より, GTX群は脊髄運動神経系に対して抑制的な影響を及ぼすものと考えた。
神戸大学の論文