高温高湿環境下における拘束鶏の直腸温,呼吸数および心電図の変化
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概要
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拘束状態下の鶏について,高温高湿度が直腸温,呼吸数,心拍数および心電図に及ぼす影響を検討した.鶏(白色レグホーン系交雑種雌,8〜9ヵ月齢)の両翼,両脚をそれぞれヒモで固定し,さらに保定用ケースに入れることによって拘束状態とした.これを環境調節器内に入れ,湿度を90%以上とし,温度を25°Cより44°Cまで約6分ごとに1°C上昇させた.その結果,次のことが認められた.1) 25〜28°Cでは,直腸温,呼吸数および心拍数はほぼ一定であった.2) 29〜34°Cでは熱性多呼吸の出現をみたが,体温上昇は軽度であり,心拍数はむしろ減少傾向にあった,したがって,この温度範囲では,呼吸数増加により効果的に放熱が行なわれていると考えた.3) 35〜38°Cでは,熱性多呼吸はさらに顕著になり,直腸温,心拍数の増加も認められた,よってこの温度範囲では,呼吸数増加による熱放散は不完全であると思われた.4) 39〜44°Cでは,呼吸数はピークに達したあと減少を示し,次第にリズムの乱れが観察された.直腸温はそれにともなって著しく上昇した.すなわち鶏は完全に熱虚脱状態に陥ったと考えた,心電図には,房室ブロック,心室性期外収縮などが観察され,それらはさらに発作性心室頻拍,心室細動,心室粗動などの重篤な不整脈へ移行し,鶏はやがて死亡した.
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