麻ひ性貝毒とフグ毒に対するモルモット回腸縦走筋標本の薬物受容機構の比較 : 用量作用曲線の解析

概要

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麻ひ性貝毒gonyautoxins(GTX群)とフグ毒tetrodotoxin (TTX)に対するモルモット回腸縦走筋標本の薬物受容機構について比較検討した。マグヌス法により固定した縦走筋標本にGTX群(0.1,0.2,および0.4MU/ml)またはTTX(0.1,0.2および0.4MU/ml)を作用させ, acetylcholine (ACh)累積投与またはnicotine一回投与に対する収縮反応より用量作用曲線を求めた。1 .GTX群存在下でACh投与より得られた用量作用曲線は, ACh濃度が低い時, 対照曲線より右方に移動した。このことから, GTX群とAChはACh受容体でI型(競合型)拮抗を示すと推定した。2. TTX存在下では, AChの用量作用曲線には著明な変化がみられなかった。これより, TTXはACh受容体には作用しないものと考えた。3. Nicotine収縮より求めた用量作用曲線は, GTX群およびTTX濃度に依存して右方へ平行移動した。したがってnicotineとGTX群またはTTXとはIII型(競合兼非競合)拮抗を示すと解釈した。4. 上記結果より, GTX群はACh受容体およびnicotine受容体に対して競合的に作用するとともに, 副交感神経節後線維にも抑制作用を有するものと考えた。また, TTXもnicotine受容体に競合的拮抗作用を示すほか, 節後線維にも抑制的に作用するものと推察した。
神戸大学の論文