骨格筋の疲労に関する筋電図学的研究 (V) : 骨格筋疲労に対する薬物の効果(畜産学)
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概要
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1. 骨格筋疲労の神経性機序を検索するために筋疲労に対する, vitamin B_1,Vagostigmin, Wintermin, caffeine, 硝酸ストリキニーネ, Myoserolなどの効果を筋電図学的に検討した。イヌに後より駐立を2∿2.5時間にわたって命じ, その間, M. flexor carpi ulnarisとM. gastrocnemiusより筋電図を経時的に記録した。硝酸ストリキニーネとMyoserolは, 駐立直前にそれぞれ皮下注射により投与した。その他の薬物については, 駐立後1時間に, 群化放電の発現を確認したあと, それぞれを皮下に注射し, 投与後もひきつづき筋電図の経時的記録を行なった。こうして得られた記録を用いて, 放電パターンに及ぼす薬物投与の効果について考察を加えた。2. Vitamin B_1 (100mg)の投与では, 群化放電は急速に消失し, 放電は全体に等しく分布するに至った。しかし, 投与後約1時間30分を経ると, 再度, 放電は群化を示すようになった。3. Vagostigmin (0.5mg)の投与では, 投与後30分にして群化放電は消失して正常放電が復活した。しかし, この消失期間は約30分の短時間で, 以後は再び群化放電が出現するに至った。4. Wintermin (0.5mg/kg)ならびにcaffeine (10mg/kg)の投与では, いずれも群化放電は消失することなく, これらの薬物の効果は全く認められなかった。5. 硝酸ストリキニーネ(0.5mg)の投与では, 群化放電の発現が著しく抑制され, 投与後1時間30分にして, 漸く群化の傾向を帯びた放電が出現し, 投与後2時間近くになって, 明瞭な群化放電が現われた。6. Myoserol (100mg)の投与では, 群化放電の発現が著しく促進され, 投与後間もなく群化の傾向を帯びた放電が出現し始めた。ついで30分後にして明瞭な群化放電が頻繁に出現し, 投与後1時間に至ると, ほとんど群化放電のみになった。
- 神戸大学の論文
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