骨格筋の疲労に関する筋電図学的研究 (VI) : 単一NMUの放電間隔に対する各種薬物の影響(畜産学)
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概要
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1.イヌを用いて, 骨格筋疲労の神経生理学的な背景を明らかにするために, 筋疲労時における神経一筋系の活動に対する, vitamin B_1,Vagostigmin, Wintermin, caffeine, 硝酸ストリキニーネ, Myoserolなどの投与効果を筋電図学的に検討した。上記薬物のうち, 硝酸ストリキニーネとMyoserolについては実験開始直前にそれぞれを皮下に注射し, 投与後直に2時間の後より駐立を命じ, 以後, M. flexor carpi ulnarisとM. gastrocnemiusより単一NMUの放電の経時的記録を行なった。その他の薬物については, 後より駐立後1時間に, 群化放電の発現を確認したあと, それぞれを皮下に注射し, 以後, 1時間30分にわたって, 同じように, 単一NMUの放電を経時的に記録した。こうして得られた記録からτ-s曲線を作成し, これを用いて薬物投与による神経一筋系の機能的変化について考察を加えた。2. Vitamin B_1 (100mg), Vagostigmin (0.5mg), 硝酸ストリキニーネ(0.5mg)は, ともに脊髄準位以下の神経機構の活動に対して賦活的効果を示し, それらの投与によって, τ-s曲線の水平部分は延長して, 筋活動にspinalizationが増強することが認められた。このことより, これらの薬物は筋疲労に対して抑制的効果を持つものと解釈した。3. Wintermin (0.5mg/kg)ならびにcaffeine (10mg/kg)は, いずれも放電間隔の変動の振幅を増加せしめる方向に働き, 筋疲労に対する改善的効果は全く認められなかった。4. Myoserol (100mg)は, τ-s曲線の左偏化を促進して, 筋活動のspinalizationの性質を減弱せしめる効果を示した。このことより, この薬物は筋疲労の促進に働くと推測した。
- 神戸大学の論文
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