ニワトリの寒冷ふるえに関する筋電図学的検討

概要

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鳥類における寒冷ふるえの発現様式を検討するために, ニワトリを氷で冷却しつつ, 直腸温, 呼吸数の変化を計測するとともに, 浅胸筋, 大臀筋及び腓腹筋から筋電図を経時的に記録し, 分析的考察を加えた。1. ニワトリの寒冷ふるえ時の筋電図には, 持続的に現れるtonic放電と周期的に出現するburst放電の2種類の放電が観察された。2. tonic放電は, 各被検筋に同時に出現するものではなく, まず, 大臀筋, 腓腹筋ではほとんど同期して出現し, ついでかなり遅れて浅胸筋に出現するのが認められた。3. burst放電は, すべての被検筋に必ずしも出現するとは限らず, 筋によって出現に難易がみられた。すなわち, 浅胸筋では最も出現し易く, 腓腹筋では最も出現し難いことがみられた。4. burst放電は呼吸周期とほとんど一致して出現し, また, 呼吸が減退すると同時に消失した。この種のburst放電は, 呼吸による筋緊張度の変化に由来するものと考えられた。5. 胸部及び腹部の筋を圧迫すると, burst放電は, いずれの被検筋にも等しく出現した。すなわち, 胸腹部筋の圧迫は, burst放電の出現に対して促進的な効果を持つことが認められた。これを呼吸中枢の機能亢進によるものと考えた。
神戸大学の論文