Cygnus X-1 の硬 X 線領域におけるスペクトル

概要

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1988年8月23日に日中共同気球実験の一環として鹿児島宇宙センターから放球されたB50-C6は東支那海を横断し, ゴンドラは翌8月24日南京郊外で回収された。その間, 天頂から4°と5°の傾きを持って搭載された2台のNaI(T1) phoswitch検出器によりCyg X-1の観測を行った。それぞれの検出器は最大有効面積110cm^2と115cm^2を持ち, 視野は半値幅で4°×15°と8°×15°である。約2,100秒のデータから得られた30∿80keVのenergy spectrumはHEAO 3が1987年の秋に観測したspectrumとよく一致している。また, single power law model, thermal modelともに適合しており, single power law modelのindexは1.87±0.10である。同じ頃に観測された軟X線領域では普通の低fluxであったことより, 観測時のCyg X-1のfluxは軟硬両X線領域とも低かったといえる。
宇宙航空研究開発機構の論文