疫病菌遊走子のうの多量形成培養法(農学部門)

概要

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無菌的かつ簡単に多量の遊走子のうを形成させるための新しい方法を試案した。供試菌はPhytophthora capsici No. 65である。培地としては, 菌糸の生育良好で, 良質の遊走子のうを形成するものとしてV8ジュースを選出した。100mlのフラスコに入れた30mlの液体培地中で, 28℃, 3週間, 前培養した菌そうを, ブフナー滬斗を用いて, 殺菌水にてよく洗浄し, あらかじめ, 湿った滬紙2枚を敷いておいたペトリ皿に移し, 障子紙を張った木枠のふたをかぶせ, 螢光灯照明付28℃定温器中に並べておくと, 36∿48時間後, 表面に多量の遊走子のうの形式がみられた。この遊走子のうは気中性で, 小型の薬さじで容易にかき取ることができる。本法はP. palmivolaおよびP. melonisにも適用して多量の遊走子のうを得たが, P. parasitica, P. citrophthoraおよびP. heveaeでは満足すべき結果が得られなかった。
京都府立大学の論文
1968-10-15