Phytophthora capsici LEONIAN 菌の游走子嚢発芽の二型における性現象(農学部門)

概要

論文の詳細を見る
本論文はPhytophthora capsici LEONIANの性現象を追究したものである。1)本菌游走子嚢の間接発芽によつて生じた游走子を, micromanipulatorで単個分離した55分離系統は二群に分かれ, すなわち43分離系統は有***官および游走子嚢を形成し, 明らかにhomothallismを示めしたが, 他の12分離系統は全く不稔に終つた。2)游走子単個分離系統をナス果実に接種して病原性を比較したが, 稔性の43分離系統群は何れもナスに対して病原性を有した。しかし, 不稔性の12分離系統群は何れもナス果実に対して病原性を示めさなかつた。この接種試験の結果病斑上に生じた游走子嚢について再游走子単個分離をおこなつた結果, 何れもオートミル培地上に有***官を形成したから, 本菌は明らかにhomothallismを示めすことを再び確認した。3)游走子単個分離系統間の組合せをつくり対峙培養をおこなつたが, 稔性の系統群は常にその発育域内に繁殖器官を形成したのに反し, 不稔の系統群はその発育域内はもちろん, 対峙の菌叢接触部付近にも何等特記すべき変化が認められず, かつ繁殖器官の形成も認められなかつた。4)直接発芽せる游走子嚢を単個分離したものは, 常に有***官および游走子嚢を形成した。5)游走子の単個分離系統はオートミル寒天培地上, 20℃, 1ヵ月後に卵胞子を形成するが, 30℃では全然形成しない。また游走子嚢の形成も30℃よりも20℃の方が良好である。6)以上の実験結果から, 本菌は性現象としてhomothallismを示す。
京都府立大学の論文
1961-09-01

Phytophthora capsici LEONIAN 菌の游走子嚢発芽の二型における性現象(農学部門)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク