Phytophthora capsici LEONIAN 菌の游走子嚢の発芽菌糸の発育及び游走子嚢並に卵胞子の形成に及ぼす Malachite green の影響

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1. 本報文は茄子科及び瓜科植物の疫病を起因するPhytophthora capsici LEONIAN菌の游走子嚢発芽の二型性, 菌糸の発育, 游走子嚢及び卵胞子の形成に及ぼすmalachite greenの影響に就て行つて実験結果を述べた。malachite greenの濃度は0.1×(10)^<-4>, 0.125×(10)^<-4>, 0.25×(10)^<-4>, 0.5×(10)^<-4>, 1.0×(10)^<-4>, 2.5×(10)^<-4>, 1.0×(10)^<-3>, 及び1.0×(10)^<-2>%とした。2. 馬鈴薯煎汁液中に添加したmalachite greenが游走子嚢の直接発芽及び間接発芽に及ぼす影響に就て実験を行つた。本実験に用いた游走子嚢は接種した茄子果実から得たものであり, その游走子嚢を馬鈴薯煎汁液中に懸滴し22℃及びに26℃夫々3時間及び5時間保つた。発芽の二型に及ぼす抑制作用は略0.5×(10)^<-4>%以上の濃度で起り, 発芽の限界濃度は略2.5×(10)^<-4>%であつた。然しながら0.1×(10)^<-4>%の稀薄濃度に於ては, 直接発芽に対して促進作用を示した。間接発芽はmalachite greenに対して非常に鋭敏であり, 本実験の最低濃度に於ても抑制作用を受けた。3. 前項と同様の方法で蒸溜水に添加したmalachite greenの游走子嚢発芽の二型性に及ぼす影響に就て実験を行つた。抑制作用はすべての実験区に於て観察せられ特に直接発芽は0.25×(10)^<-4>%に於て又間接発芽は0.1×(10)^<-4>%に於て抑制作用が見られた。然し乍ら上記実験を通じて, 間接発芽は直接発芽よりもmalachite greenの影響を鋭敏に受ける。4. 馬鈴薯煎汁寒天培地に添加したmalachite greenが, 菌糸の発育に及ぼす影響に就て, 28℃にて2,5,7,10,12及び15日間調査した。菌糸発育に対する抑制作用は, 0.5×(10)^<-4>%と0.25×(10)^<-4>%との間に於ては発育初期に於て特に著しいことが観察せられ, 発育の限界濃度は5.0×(10)^<-3>%附近であつた。然しながら促進作用は0.125×(10)^<-4>%以下の稀薄濃度に於て起つている。5. 游走子嚢形成に及ぼすmalachite greenの直接的影響は馬鈴薯煎汁寒天及びオートミール寒天共に認めにくい。然し卵胞子形成はオートミール寒天に於て0.25×(10)^<-4>%以上の濃度ではつきり抑制作用が認められた。
京都府立大学の論文
1955-09-01

Phytophthora capsici LEONIAN 菌の游走子嚢の発芽菌糸の発育及び游走子嚢並に卵胞子の形成に及ぼす Malachite green の影響

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