Phytophthora capsici LEONIAN 菌游走子嚢の発芽生理に関する研究 (2) : 游走子嚢発芽の 2 型の発現に及ぼす蔗糖及び葡萄糖の影響と游走子嚢の原形質分離現象
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概要
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1. 本報告はPhytophthora capsici LEONIAN菌游走子嚢の発芽の2型に及ぼす蔗糖及び葡萄糖の影響について行つた実験結果と, 游走子嚢の原形質分離現象についての観察結果を述べた。2. 間接発芽は蔗糖の濃度0.1モル以下の稀薄な溶液中において良好であり, この結果は葡萄糖の場合でもほゞ同様であつた。又, 何れの糖においても濃度0.25モルでは間接発芽が顕著に減少し, 0.5モルでは全然発芽が認められなかつた。これ等に対して直接発芽は, 何れの場合も糖の濃度による影響の差はあまり認められなかつた。3. 馬鈴薯煎汁液及びそれに蔗糖を添加したものでは, 間接発芽は顕著に減少したが, 直接発芽は殆んど影響せられることがなく, 少しく促進せられるように思われたが, しかし直接発芽は20%を越ゆるものは極めて稀であつた。4. 間接発芽における游走子迸出可能の蔗糖限界濃度は, 0.31モルの附近にある。5. 蔗糖の濃度0.30モル及び0.31モルの溶液中で迸出した游走子の多くは, 著しい畸形を呈すると共に, その運動は非常に不活溌であり, 鞭毛を附したまゝ静止するものが多かつた。畸形の著しいものは多くがそのまゝの形で静止し, 又発芽するものがなかつた。6. 蔗糖及び葡萄糖の濃度0.25モル附近から, 0.4モル附近にかけて, 游走子嚢内で游走子の分化がおこり, 游走子が迸出しないまゝに被嚢するものがみられた。これ等の現象は何れも游走子嚢の滲透圧に関係があるものと思われる。7. 蔗糖の濃度0.32モル或はそれより僅かに高い濃度附近を限界として游走子嚢の原形質分離がおこる。8. 直接発芽は游走子嚢が原形質分離をおこすような溶液中でも行われる。
- 京都府立大学の論文
- 1957-09-01
著者
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