Phytophthora capsici LEON. の遊走子のう形成機構研究のための抗生物質の利用(農学部門)

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菌類の器官形成についての研究は, そのほとんどが形態の観察ならびに代謝産物の増減に関するものであって, 形成機構を制御する見地からのものはまだ数少ない。筆者らはPhytophthora capsiciの無性あるいは有性生殖器官の形成について引き続いて研究を行なっているが, この制御機構の研究のために形成刺激が随時に与えられ, また除かれるような手段が必要になってきた。刺激方法はいろいろとあるが菌の方の反応の速やかさという点から細菌によるP. capsiciの遊走子のうの形成促進効果を指標とすることにした。この細菌による形成刺激を希望する時点でとり除くために抗生物質を用いることにしたが, この物質は1) P. capsiciの発育を阻害しない, 2) P. capsiciの遊走子のうの形成能力を低下させない, 3)遊走子のう形成刺激能力をもつ細菌を速かに殺すか, その刺激機能ををいちじるしく低下せしめる, などの3つの条件を満たさねばならない。Penicillin G Na-salt, Polymyxin B sulfate, Vancomycin HCl, Dihydrostreptomycin sulfate, Chloromycetin, Cycloserine, Spiramycin, Gentamicin, Kanamycin, Colistin及びPentrexについて濃度を変えて刺激除去剤としての効果を検討した結果Pentrexが比較的よく上記3条件を満し, 使用濃度も1250ppmでよいことが判った。
京都府立大学の論文
1971-10-15

Phytophthora capsici LEON. の遊走子のう形成機構研究のための抗生物質の利用(農学部門)

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