Phytophthora parasitica var. nicotianae の非病原性レースならびに他の数種非病原菌に対するタバコカルスの抵抗性の不発現について(農学部門)
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概要
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タバコの羅病性品種(Burley-21)の茎は, その病原菌であるPhytophthora parasitica var. nicotianaeによって侵入を受けたが抵抗性品種(L-8)は侵入を受けなかった。しかしながら, 両タバコ品種より誘導されたカルス組織は本病原菌により同程度によく侵入を受けた。ホルモン濃度, 光, また温度を変化することによりカルスの培養条件を変化させても侵入の程度に差異は認められなかった。また, カルス組織は本来タバコ植物に病原性をもたない多くの非病原菌によってもよく侵入を受けた。これらカルス組織における非特異的な抵抗性消失は, カルス組織より誘導したタバコ植物が再び抵抗性を獲得するので, 抵抗性遺伝子がカルス細胞に欠除したためであるとは考え難く, むしろ抵抗性遺伝子の発現が何らかの作用により抑制されていると考えられる。タバコの葉も羅病性ならびに抵抗性品種に関係なくP. parasitica var. nicotianaeによってよく侵入を受けたが, 数種の非病原菌に対しては抵抗性を示した。このようにタバコはその組織の違いにより, 感受性を著しく異にする。
- 京都府立大学の論文
- 1976-11-30
著者
-
塩尻 哲
京都府立大学農学部作物学育種学研究室
-
宮崎 正幸
京都府大農
-
正子 朔
Laboratory of Plant Pathology, Faculty of Agriculture, Kyoto Prefectural University
-
吉川 正明
Laboratory of Plant Pathology
-
宮崎 正幸
Laboratory of Plant Pathology
-
塩尻 哲
Laboratory of Crop Science and Plant Breeding Faculty of Agriculture, Kyoto Prefectural University
-
塚平 恒雄
Laboratory of Plant Pathology
-
正子 朔
Laboratory Of Plant Pathology Faculty Of Agriculture Kyoto Prefectural University
-
塚平 恒雄
京都府大農
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