温床床土に関する研究(第4報) : 果菜類苗の根系の発達と移植の植えいたみについて
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概要
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1960〜1962年にかけて, 温室内でトマト, キユウリ, ナスを用い, 苗の根系の発達と, 移植の植えいたみを調べた。1. 火山灰土に対する腐葉土の含量が増すにつれ, 細根が多く分岐し, 総根数も多くなつた。しかし腐葉土のみの区では不良だつた。また川砂区では根の分布が粗で, 1次根が長く伸長した。一般に根系の発達の良いものは地上部の生育が良く, また土壌付着量も多かつた。2. 種類別ではキユウリの根は発達が早く, せん細な側根を多数出し, 根系が広範囲に及んだ。ナスの根は発, 達がおそく, 太くてじようぶな直根が深く伸長し, その周辺に側根が密に分布した。トマトの根は両者の中間の性質を示した。これらの性質は移植の際の土壌付着量や植えいたみの程度と関係深いように思われた。3. つぎに組成の異なる各種床土で育苗し, 移植後の苗の植えいたみの程度をみたが, 移植の際に土壌が多く付着するものほど, いたみが少ない傾向があつた。川砂区は根に土壌が付着せず, 移植するまでの間に萎凋し, また荒木田区では断根が多く, いたみがはなはだしかつた。4. 同じ床土で育苗し, 移植法をかえた試験では, 無移植に比し, 普通, 断根, 洗根の順にいたみがひどく, やはり移植時の根の土壌付着量の多少がいたみの程度に関係深いことがわかつた。種類別ではキユウリが最もいたみやすく, ついでトマトで, ナスは比較的いたみが少なかつた。
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