キャベツ結球葉中の糖分の季節的変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
キャベツの結球葉中の糖含量を求め, 食味の内重要な甘味との関係を求めた。1. 東京市場へ入荷したキヤベツ結球葉中の糖分を分析したところ季節的変動がみられた。すなわち全糖および還元糖の含量は初夏より夏になるにつれ減少し, 秋から冬にかけて増加し, 春になるとまた減少した。ただし例外があり, 冬期に低いものがあつた。非還元糖の含量は夏から秋にかけて低いが, 冬になると増加し, 春になると減少した。還元糖/全糖の比率は, 夏期には0.9以上であるが, 冬には低下し, 0.5内外にまでなり, 春に再び高くなつた。2. 東京大学農学部ほ場において, 1年間は種期をかえてキャベツを栽培し, 収穫したものについて糖含量を分析した結果は, 上記の実験とほとんど同様の傾向が得られた。3. 甘さと, 糖含量との相関は大きく, 原則的には糖含量が多ければ甘いが, 例外があり, 糖含量が少なくても甘いものや, 逆に多くても甘くないものがあつた。前者の例には, 冬期寒さに遭遇したと思われるものが, 後者の例には, 葉が硬かつたり, にがみが存在するものなどがあつた。
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- 温床床土に関する研究 (第8報) : 土と有機物の比率の異なる混合土の化学性
- 温床床土に関する研究(第4報) : 果菜類苗の根系の発達と移植の植えいたみについて
- 温床床土に関する研究 (第5報) : 石灰窒素加用の床土たい積中の成分の変化, ならびに同熟成床土におけるトマト苗の生育
- 温床床土に関する研究 (第3報) : キュウリ, ナス, トマト育苗用速成床土
- 温床々土に関する研究 (第1報) : トマト育苗用速成床土
- 温床々土に関する研究 (第2報) : 床土の土壌水分がトマト苗の生育に及ぼす影響
- キャベツ結球葉中の糖分の季節的変動
- コモ代用のプラスチック製トンネル被覆資材の保温性
- トマトの高温障害に関する研究 (第3報) : 種々のステージの花蕾に及ぼす高温の影響
- トマトの高温障害に関する研究 (第1報) : 苗齢と障害の程度
- トマトの高温障害に関する研究(第2報) : 高温の持続時間と障害の程度
- イチゴの休眠に関する研究 (第2報) : 保温開始期と日長がダナーの生長, 開花, 結実に及ぼす影響
- イチゴの休眠に関する研究 (第1報) : 保温開始期がイチゴの発育に及ぼす影響の品種間差異
- 洋ナシバートレットの追熟について (第2報) : 冷蔵および追熟中の成熟過程ならびに呼吸量
- 洋ナシバートレットの追熟について(第1報) : 追熟温度と冷蔵処理の影響