トマトの高温障害に関する研究 (第3報) : 種々のステージの花蕾に及ぼす高温の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. トマト品種福寿2号を用い, 高温処理後のつぼみの長さから, つぼみのステージを開花前または後の日数で正確に表わし, これらのステージの花蕾への高温の影響を調べるため, 40°C1日3時間ずつ2日間処理を行なつた。2. 高温処理区で着果率は開花11日前100%, 9〜5日前10〜20%, 3日前70%, 前日100%. 開花当日〜3日後20%, 8日後100%であつた。処理後開花のとき健全花粉を与えると, 開花7〜5日前では着果率は60%と増加したが, 他のステージでは差はなかつた。3. 高温にとくに弱いステージは開花9〜5日前と開花当日〜3日後であつた。開花9日前では雌雄器官が, 開花7〜5日前では主として雄***官が, 開花当日〜3日後では花粉の発芽や花粉管の伸長が高温の影響をうけやすいものと思われた。4. 開花後高温にあつたものではホルモン処理で着果率は著しく増加したが, つぼみのとき高温にあつたものでは, ホルモン処理の効果は認められなかつた。5. 空胴果は大部分がごく軽微なものであつたが, 高温処理区に多かつた。グリーン•ロキュールは, ホルモン処理で増加した。6. 種子数と果重の間に高い相関が認められた。1種子当りの果重は対照区0.36gで, 高温処理区, 高温処理ホルモン区, 幼果高温処理区ではそれぞれ0.49, 0.51, 0.48gと, 対照区より高かつた。
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- 温床床土に関する研究 (第8報) : 土と有機物の比率の異なる混合土の化学性
- 温床床土に関する研究(第4報) : 果菜類苗の根系の発達と移植の植えいたみについて
- 温床床土に関する研究 (第5報) : 石灰窒素加用の床土たい積中の成分の変化, ならびに同熟成床土におけるトマト苗の生育
- 温床床土に関する研究 (第3報) : キュウリ, ナス, トマト育苗用速成床土
- 温床々土に関する研究 (第1報) : トマト育苗用速成床土
- 温床々土に関する研究 (第2報) : 床土の土壌水分がトマト苗の生育に及ぼす影響
- キャベツ結球葉中の糖分の季節的変動
- コモ代用のプラスチック製トンネル被覆資材の保温性
- トマトの高温障害に対する2,3の生長調節物質の影響
- トマトの高温障害に関する研究 (第5報) : 受精, 胚の発育および高温処理花の形態的異常
- トマトの高温障害に関する研究 (第3報) : 種々のステージの花蕾に及ぼす高温の影響
- トマトの高温障害に関する研究 (第1報) : 苗齢と障害の程度
- トマトの高温障害に関する研究(第2報) : 高温の持続時間と障害の程度
- イチゴの休眠に関する研究 (第2報) : 保温開始期と日長がダナーの生長, 開花, 結実に及ぼす影響
- イチゴの休眠に関する研究 (第1報) : 保温開始期がイチゴの発育に及ぼす影響の品種間差異
- 洋ナシバートレットの追熟について (第2報) : 冷蔵および追熟中の成熟過程ならびに呼吸量
- 洋ナシバートレットの追熟について(第1報) : 追熟温度と冷蔵処理の影響
- High temperature injuries in tomato. IV.:Development of normal flower buds and morphological abnormalities of flower buds treated with high temperature