着果状態におけるキュウリ果実の体積推定と生長解析
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概要
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1. キュウリ果実の果実長 (l) 及び3か所の周囲長(a1, a2, a3) からFVI=l×(a12+a22+a32) を求め, 体積指数とした. FVIは体積, 新鮮重とr>0.999, 乾物重とr>0.99のそれぞれ高い相関を示した. FVIに対する回帰直線を用いて, 体積と新鮮重は誤差約3%で,乾物重は誤差約0.2gで推定できた. この体積推定法を用いると, 最短4時間の測定間隔で果実の生長をとらえることができた.2. 果実体積が最大の約80%に達するまでの果実の生長曲線は,‘フクダ交配ときわ光3号A型’と‘久留米落合H型’の2品種において, logistic 曲線と Gompertz曲線によりよく表すことができた. この期間の測定値から得られた Gompertz 曲線は,‘ときわ光3号A型’においては全生長期間に当てはまったが,‘久留米落合H型’では生長中期以降当てはまらず, 品種間で差異が認められた. 果実の生長曲線は single sigmoid とみなされた. 果実の相対生長率 (RGR) は果実長9〜20cmの時期に最も高く, 以後急速に低下した.3. ガラス室内における果実長約20cm以下の果実のRGRには明りょうな日内変動が観察され, 12〜20時に高い値を示した. RGRの日平均値は晴天日に高く, 曇天日に低かった. また, RGRの日平均値には季節間差があり, 春の方が秋より高かった.4. ‘ときわ光3号A型’と‘久留米落合H型’の両品種の比較では, 果実の最終的大きさや最大に達するまでの日数が異なっていたが, 果実長約20cm以下の時期における生長速度やRGRには差がなかった.
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